歯科医にクレームを入れられなかった、若かりし頃の思い出です。

今から20年以上前、私が高校生だった頃の話です。

私が通っていた高校では、定期的に生徒の健康診断が行われていたのですが、その一環で生徒がそれぞれ自分の選んだ歯科に行き、「歯の診察/治療を行った」という歯科医の診断書(詳しい内容は忘れましたが、おそらくそうだったと思います)を学校に提出するということが行われていました。

私も学校からほど近い歯科医を選んで行くことにしたのですが、いざ行こうとすると同級生から「あそこの歯医者さんは評判が悪い」といった趣旨のことを聞かされました。
そうなんだ・・・と少し気になったものの、学校に提出する書類を整えてもらいに行くだけだし、定期的に行くわけではないのだから大丈夫、と思いなおして結局そこに行くことにしました。

当日は学校の帰り道にその歯科医に寄ったので、友人が一人ついてきてくれました。
いざ、その歯科医に行ってみると自分たち以外に患者さんはいませんでしたが、待ち時間がなくてラッキー、と暢気に構えていました。
そのうち名前を呼ばれて診察室に入ったのですが、先生の前で口を開けてみると小さな虫歯があるとのことでした。

しかし本当に小さいので今日一回限りの治療で治りますと言われ、なんだか予想外に時間がかかりそうだなと思ったものの、そのまま治療に入りました。

そのまま治療に入ったのですが、先生の手つきがほかの歯医者さんより乱暴なのに驚かされました。
治療のために口を開かされるのも、口の中に器具を入れられるのも強引な感じがしましたし、治療が開始して早々怖くなってしまいました。
しまった、この歯医者さんにしなければよかったな、と後悔しましたが、後の祭りです。
どうか何事も起こりませんように、と心配していましたが、歯を削られていた時突然、舌に強烈な痛みが走りました。

一瞬、何が起きたのかわかりませんでしたが、すぐに歯を削る機械に自分の舌が触れたのだとわかりました。
しかし先生を見上げても何も言わないし、真剣に機械を握る手を動かしているだけです。
すぐに手を挙げれば良かったのですが、なぜか何もできないまま削った部分に詰め物をされ、治療が終わりました。

なんだか混乱したまま診察室を出て、待っていた友人に「なんか、いま治療されてて舌を傷つけられたみたい」と小声で告げると友人は信じませんでした。
しかし、舌に痛みが残ったままでしたし、トイレに行って確認すると舌の一部に引き連れたような跡がありました。
口に水を含んで吐き出してみると、微かに血が混じっていました。
頭がパニック状態でしたがなぜか歯科医に訴えることがどうしてもできず、そのままその歯科医を後にしてしまいました。

ともあれ、問題の小さな虫歯は無事に治療してもらったらしいですし、学校に書類も提出できたのでそのまま事態はうやむやになってしまいました。
今だったら確実に歯科医にクレームを入れるのに!と当時を思い出すたびに嫌な気持ちになります。
それと同時に、当時の私はどうして事を荒立てるのをあれほどまで怖がっていたんだろう?と不思議になります。
まだ若くて理不尽なことに怒ることもできなかった私の、苦い思い出です。

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